断熱材の品質は、住宅の快適性や省エネ性能を大きく左右します。
製品ごとに性能の差があるため、メーカー選びを誤ると冷暖房効率の低下や光熱費の増加、結露や劣化の原因になる場合もあります。
断熱材市場には多くの企業が参入しており、製品の特徴やサポート体制は多岐にわたります。高性能な製品を選びたいと考えていても、どこに注目すればよいか迷いやすいのが現実です。
この記事では、断熱材メーカーを選ぶべき理由を明確に解説し、実績・技術力に優れた国内メーカー10社を紹介します。
この記事を読むことで、断熱材メーカーごとの違いや選び方のポイントを把握でき、最適な製品を安心して選べるようになります。
▼この記事でわかること
|
フォームライトSLは、現場発泡させる吹き付けウレタンフォームです。壁の中を隙間なく断熱材で充填できるため、快適な居住空間を作り出すことができます。
フォームライトSLの特徴は以下の通りです。
- 優れたコストパフォーマンス
- ランニングコストが経済的
- 断熱工事と気密工事を同時対応できるため工期はおよそ2日間
断熱材選びに迷われている方は、ぜひ詳細が記載されたカタログをダウンロードしてみてください。
目次
- 1 断熱材メーカー選びが重要な理由
- 2 理由①|家の断熱性・気密性に関わる
- 3 理由②|家の耐久性と長持ちに影響する
- 4 理由③|コストパフォーマンスが変わる
- 5 断熱材メーカーおすすめ10選
- 6 おすすめ①|BASF INOACポリウレタン株式会社
- 7 おすすめ②|旭化成建材
- 8 おすすめ③|旭ファイバーグラス
- 9 おすすめ④|アキレス
- 10 おすすめ⑤|ニチアス
- 11 おすすめ⑥|デュポン・スタイロ
- 12 おすすめ⑦|日本ロックウール
- 13 おすすめ⑧|フクビ化学工業
- 14 おすすめ⑨|カネカ
- 15 おすすめ⑩|マグ・イゾベール
- 16 断熱材メーカーの選び方のポイント
- 17 ポイント①|断熱等級が高いか
- 18 ポイント②|施工支援や現場サポートがあるか
- 19 ポイント③|マイスター認定制度があるか
- 20 まとめ
断熱材メーカー選びが重要な理由
断熱材の性能や施工性はメーカーによって差があり、選び方ひとつで家の快適性や耐久性が変わります。見た目では判断できない要素だからこそ、信頼できるメーカーを選ぶことが非常に重要です。
以下では、断熱材メーカー選びがなぜ重要なのか、3つの視点から詳しく解説します。
▼断熱材メーカー選びが重要な理由
|
理由①|家の断熱性・気密性に関わる
断熱材メーカーの選び方次第で、住宅の断熱性と気密性が大きく変わります。
外気の影響を抑え、室内環境を快適に保つには、高性能な断熱材が必要です。断熱性能が優れていれば、冷暖房の効率が上がり、省エネ効果も期待できます。
断熱性が不足した住宅では、夏は熱がこもり、冬は暖房が逃げやすくなります。さらに、温度差によって壁内に結露が発生し、カビや腐食を引き起こすリスクも高まります。
断熱性と気密性を確保するには、断熱材の熱伝導率や構造に加え、現場での施工精度も重要です。現場支援や施工マニュアルを提供するメーカーを選ぶと良いでしょう。
理由②|家の耐久性と長持ちに影響する
住宅の基礎や壁内部を守るうえで、断熱材の性能は見過ごせない存在です。適切な断熱材を使うことで、温度差による構造材の劣化や結露のリスクを低減できます。
壁内に温度差が生じると、湿気が水分に変わり結露が発生します。湿った空間では木材が腐食しやすくなり、カビやシロアリの繁殖も助長されます。この状態が続くと、壁の内部や柱が脆くなり、家全体の耐久性が損なわれます。
結露を防ぐには、外気と室内の温度差を緩和する性能が欠かせません。優れた断熱材は熱の移動を抑え、壁内で安定した温度環境を保ちます。温度差が小さくなることで、湿気が水滴になるリスクを低減できます。
理由③|コストパフォーマンスが変わる
断熱材メーカーの選び方次第で、住宅全体のコストパフォーマンスが大きく変化します。初期費用が安く見えても、性能や耐久性が劣れば、長期的に余計な出費を招くため注意が必要です。
断熱性能が高ければ、冷暖房にかかるエネルギーを削減でき、光熱費の抑制につながります。
とくに気密性と併せて性能が高い断熱材を採用した場合、外気の影響を受けにくくなり、冷暖房機器の稼働が最小限で済みます。年間を通じて一定の節約効果を生み、長期的には大きな差となって表れます。
短期的な価格だけでなく、冷暖房費・維持費・施工性・補助制度の有無を含めて検討することが重要です。
断熱材メーカーおすすめ10選
国内には多くの断熱材メーカーが存在し、それぞれが異なる素材・技術・サポート体制を提供しています。ここでは、住宅用断熱材において高い評価を得ているメーカーを10社紹介します。
おすすめ①|BASF INOACポリウレタン株式会社
BASF INOACポリウレタン株式会社は、断熱性能と気密性を両立できる現場発泡ウレタンフォームを提供しています。
主力製品「フォームライトSL」シリーズは、現場吹付け式で複雑な構造にもピッタリ密着します。最高水準である断熱等級7に対応している点も魅力です。
フォームライトSLを活用することで、省エネ性・耐久性・静音性に優れた健康的な住宅で快適な暮らしを実現できます。
項目 |
内容 |
メーカー名 |
BASF INOACポリウレタン株式会社 |
主力商品 |
フォームライトSLシリーズ |
扱っている断熱材の種類 |
現場発泡硬質ウレタンフォーム |
公式URL |
おすすめ②|旭化成建材
引用元:旭化成建材
旭化成建材は「ネオマシリーズ(ネオマフォーム/ネオマゼウス)」を提供しています。ネオマシリーズは、フェノール樹脂を活用した断熱材です。
髪の毛の太さほど(100ミクロン未満)の微細な気泡構造で、高い断熱性を実現しています。
長期性能もしっかりと試験されており、長く使っても性能が落ちにくい点も特徴です。
項目 |
内容 |
メーカー名 |
旭化成建材株式会社 |
主力商品 |
ネオマフォーム/ネオマゼウス |
扱っている断熱材の種類 |
フェノールフォーム断熱材 |
公式URL |
おすすめ③|旭ファイバーグラス
引用元:旭ファイバーグラス
旭ファイバーグラスは、国内最大手のグラスウール断熱材メーカーであり、住宅やビル専用の高性能グラスウール「アクリア」シリーズを主力製品としています。
最新の細繊維化技術によって、一般的なグラスウールと比べて細いガラス繊維を高い密度で絡み合わせたものを使用しています。
ノン・ホルムアルデヒドで発がん性のリスクも認められておらず、安心です。
項目 |
内容 |
メーカー名 |
旭ファイバーグラス株式会社 |
主力商品 |
アクリアシリーズ |
扱っている断熱材の種類 |
グラスウール断熱材 |
公式URL |
おすすめ④|アキレス
引用元:アキレス
アキレスは硬質ウレタンフォームとポリスチレンフォームを中心に、幅広い建築用途に対応する断熱材を展開しています。
超高性能硬質ウレタンフォームの「ジーワンボード」と「キューワンボード」は経年変化を抑え、長期断熱性能を発揮することが可能です。
また、今後普及が予想されるZEH、HEAT20 G1・G2等で求められる高い断熱性能を実現できます。
項目 |
内容 |
メーカー名 |
アキレス株式会社(断熱材事業部) |
主力商品 |
アキレスボードFR/アキレスボードCV/エアロンRシリーズ/キューワンボードシリーズ |
扱っている断熱材の種類 |
硬質ウレタンフォーム/ポリスチレンフォーム断熱材 |
公式URL |
おすすめ⑤|ニチアス
引用元:ニチアス
ニチアスは創業1896年の老舗メーカーで、住宅から産業用途まで多彩な断熱材を提供しています。
住宅向けの「ホームマットNEO」は、ロックウールを使ったシートタイプで、JIS規格に適合した防湿フィルム一体構造になっており、高断熱性能と施工のしやすさを両立しています。
また、工業用途では、アラミド繊維やエアロジェルを使った「パイロジェルXTE」断熱材を提供しています。
項目 |
内容 |
メーカー名 |
ニチアス株式会社 |
主力商品 |
ホームマットNEO(住宅向けロックウール)パイロジェルXTE(エアロジェル断熱材) |
扱っている断熱材 |
ロックウール断熱材、防湿フィルム一体型ロックウール、エアロジェル断熱材(グラスファイバー含浸型) |
公式URL |
おすすめ⑥|デュポン・スタイロ
引用元:デュポン・スタイロ
デュポン・スタイロは、スタイロフォームを提供するメーカーです。
スタイロフォームは、押出成形ポリスチレン(XPS)で作られています。高い断熱性能を持ち、湿気に強く、長期にわたって性能が落ちにくい製品です。
独自の低GWP配合により温暖化影響を抑えながら、従来と同等の断熱性能を維持できる点も特徴です。
項目 |
内容 |
メーカー名 |
デュポン(DuPont Styro) |
主力商品 |
Cavitymate Ultra(壁用)Ultra SL(外装用連続断熱) |
扱う断熱材の種類 |
XPS(押出成形ポリスチレンフォームボード) |
公式URL |
https://www.dupont.com/building/styrofoam.html (formwork-manufacturer.com, dupont.com, dupont.com) |
おすすめ⑦|日本ロックウール
引用元:日本ロックウール
日本ロックウールは、建築・産業・農業分野にロックウール製品を供給する国内トップクラスのメーカーです。
ロックウールは玄武岩などの天然岩石を高温溶融し繊維化した素材で、繊維間に多くの空気を含む構造により優れた断熱性と吸音性を発揮します。
繊維を固めたマットやボードの形状があり、施工性・取扱性にも優れている点が特徴です。
項目 |
内容 |
メーカー名 |
日本ロックウール株式会社 |
主力商品 |
ロックウール |
扱う断熱材の種類 |
ロックウール断熱材 |
公式URL |
https://www.rockwool.co.jp/ |
おすすめ⑧|フクビ化学工業
引用元:フクビ化学工業
フクビ化学工業は、フェノールフォーム系の高性能断熱材「フェノバボード」をはじめ、ビーズ法ポリスチレンフォームの「フクフォーム」など、多様な断熱材を取り扱うメーカーです。
フェノバボードは気泡内の封入ガスが抜けにくく断熱性能の経年劣化を抑制し、防火性にも優れている点が特徴です。
フクフォームはビーズ法発泡のポリスチレンフォームで、水を寄せ付けない撥水性やスリット加工で隙間なく床下を断熱できる点が評価されています 。
項目 |
内容 |
メーカー名 |
フクビ化学工業株式会社 |
主力商品 |
フェノバボード(フェノールフォーム)フクフォームEco(床下用ポリスチレンフォーム) |
扱う断熱材の種類 |
フェノールフォーム断熱材ポリスチレンフォーム断熱材 |
公式URL |
おすすめ⑨|カネカ
引用元:カネカ
カネカは、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)を使った「カネライトフォーム」を主力とする化学メーカーです。
住宅用途では、現場で施工しやすいパネル形状の「ドマライト」や、遮熱層付きで工期短縮できる「カネライトパネル」、畳下用断熱材など多様なバリエーションを提供しています。
項目 |
内容 |
メーカー名 |
カネカ株式会社 |
主力商品 |
カネライトフォームα(押出法ポリスチレンフォーム)ドマライト、カネライトパネル、畳下用断熱材など |
扱う断熱材の種類 |
XPS(押出法ポリスチレンフォーム)、真空多層断熱材(MLI) |
公式URL |
おすすめ⑩|マグ・イゾベール
引用元:マグ・イゾベール
マグ・イゾベールはリサイクルガラスを主原料としたグラスウール断熱材を提供するメーカーです。軽量で施工性に優れ、防湿フィルム付きのタイプもあるため、結露対策にも最適です 。
また、リサイクルガラス使用による環境配慮と、ノンホルムアルデヒド仕様で健康面にも配慮されています。
項目 |
内容 |
メーカー名 |
マグ・イゾベール株式会社 |
主力商品 |
イゾベール・コンフォート(住宅用グラスウール) |
扱う断熱材の種類 |
グラスウール断熱材(防湿フィルム付き・軽量タイプ) |
公式URL |
断熱材メーカーの選び方のポイント
断熱材の性能はメーカーによって大きく異なります。住宅の快適性やエネルギー効率を長く保つためには、製品スペックだけでなく、製造体制やサポート力を含めた総合的な視点が必要です。
ここでは、断熱材メーカーを比較・検討する際に確認すべき3つの重要ポイントを解説します。
▼断熱材メーカーの選び方のポイント
|
ポイント①|断熱等級が高いか
断熱材を選ぶ際は、まず「断熱等性能等級」に対応しているか確認することが必要です。
2025年4月から省エネの観点で建築基準法が改正されることで、住宅建設の基準が大幅に見直され、これまでの最高等級であった等級4が最低等級になります。また、断熱等級5から7が新設され、さらに高い断熱性能が求められます。
2030年からは等級5が最低等級になると言われており、断熱性能の高い断熱材を選ぶことが求められます。
断熱等級については以下の記事でも紹介していますので参考にしてみてください。
▼関連記事
断熱等級4が最低基準に|2025年4月施工の省エネ義務化の仕様基準を解説。
ポイント②|施工支援や現場サポートがあるか
断熱材の性能を最大限に活かすには、適切な施工が不可欠です。どれほど高性能な製品でも、隙間ができたり厚みが不均一だったりすれば、断熱効果は大きく損なわれます。
したがって、製品選定時には「施工支援体制の有無」や「現場対応の柔軟さ」も重要な評価ポイントとなります。
現場での搬入性・加工性に関するアドバイスや、製品ロスを減らすための計算支援など、設計から施工まで一貫して対応できる体制が整っているかも重要です。
製品だけでなく、施工まで視野に入れて支援してくれるメーカーを選ぶことで、長期にわたって安定した断熱性能を確保できます。
ポイント③|マイスター認定制度があるか
断熱材メーカーを選ぶ際に、「マイスター認定制度」の有無は重要なチェックポイントのひとつです。
マイスター制度とは、メーカーが独自に実施する施工者向けの認定制度のことです。座学や実地研修を通じて、断熱材の知識や施工技術を習得した技術者に対し、一定の基準を満たした者として認定を与える仕組みです。認定を受けた施工者が現場に入ることで、製品の性能を十分に引き出せる環境が整います。
断熱材の施工精度は住宅の断熱性や気密性に直結するため、施工者の技術力が住宅性能を左右します。だからこそ、技術認定制度を設け、施工品質を担保しているメーカーの信頼性は高まるのです。
フォームライトSLは、現場発泡させる吹き付けウレタンフォームです。壁の中を隙間なく断熱材で充填できるため、快適な居住空間を作り出すことができます。
フォームライトSLの特徴は以下の通りです。
- 優れたコストパフォーマンス
- ランニングコストが経済的
- 断熱工事と気密工事を同時対応できるため工期はおよそ2日間
断熱材選びに迷われている方は、ぜひ詳細が記載されたカタログをダウンロードしてみてください。
まとめ
本記事では、断熱材メーカー選びの重要性と信頼できるおすすめメーカー10社、選定時の具体的なポイントについて解説しました。断熱材は目に見えない部分ですが、住宅の快適性や省エネ性能、さらには建物の寿命にまで深く関わる要素です。
メーカーによって、使用する素材・断熱等級への対応・施工支援体制には大きな差があります。熱伝導率の低さや耐湿性の高さだけでなく、施工品質を維持する制度や現場でのサポートの有無も、断熱性能を活かすうえで見逃せないポイントです。
断熱材選びは「どの商品を使うか」だけでなく「どのメーカーから調達するか」が重要です。製品の性能・サポート・信頼性の3つの軸で判断し、住まいにとって最適な断熱材を選ぶことが、長く快適に暮らすための第一歩となります。