断熱とは、熱が伝導や対流・放射によって伝わるのを防ぐことを言います。
熱の伝わりやすさは素材によって大きく異なり、一般的に固体は分子密度が高いので対流しないが熱伝導を起しやすいとされ、気体などは分子密度が低いため熱伝導性が低いが、対流を起すことから熱を伝える媒介として機能してしまうとされます。
例えば、重たい素材の代表である金属やコンクリートは、「伝導」によって熱を大量に伝えてしまいます。これに対して軽い物質の代表である「空気」は、熱を伝えにくい性質があります。
このため内部に空気をたくさん含んだ物質ほど、熱を伝えにくいといえます。
■物質による熱伝導率の違い
※熱伝導率とは、ちょっと難しいですが、熱の流れに垂直な単位面積を通って単位時間に流れる熱量を、単位長さあたりの温度差(温度勾配)で割った値を言います。
「熱」を伝えないためにつくられた材料を「断熱材」とよび、現在利用されている断熱材は、対流を起こさせないよう固体の中に気体の小泡を多量に持つものが広く利用されています。
一般的に熱伝導率が0.1W/(m・K)より小さいものを断熱材として使用します。
■断熱材の種類
断熱材には大きく分けて「繊維系」と「発泡材料系」があり、約90%が繊維系の断熱材です。
【繊維系断熱材】
繊維系断熱材の代表格はガラス繊維を使用した断熱材(グラスウール)です。ガラス繊維とはガラスを高温で融かして繊維状に加工したものです。ガラス繊維の直径は10ミクロン程度であり、1グラムのガラスから約500mものガラス繊維を生産できます。また、板ガラス(1平方メートル、4900グラム)に比べて約390倍の表面積を持つため空気(断熱層)の内包量が非常に大きく断熱性に優れています。更にガラス本来の耐熱性や耐薬品性がありますので広範な用途に使用されています。

- ・グラスウール(最安価、耐熱性、耐久性、吸音性)
- ・ロックウール(安価、耐熱性、耐久性、高い吸音性)
- ・羊毛断熱材(吸湿性、難燃性、断熱性、リサイクル性、有機化合物吸着性)
- ・セルロースファイバー(吸湿性、難燃性、断熱性、リサイクル性、駆虫性、防カビ性、防音性)
- ・炭化コルク (完全な天然素材)
【発泡系断熱材】
構造中に空気の泡を含む天然素材であるコルクには1つ1つの気泡が空気で満たされた蝋のような物質でできた壁によって互いに隔てられた構造を持っており、断熱性、弾力性、防音性といった優れた特性が現れます。こうした性質をコルク以上に備えた人工の材料が発泡プラスチックです。プラスチックとしては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリカーボネートなど多様なものを目的に合わせて使用でき、更にプラスチックの原料であるモノマー(単量体)の選定やポリマーの分子構造設計により、機械的性能、透明性、耐熱性などあらゆる性能を最適化することもできます。種々のプラスチックにコルクと同様の発泡構造を持たせることで、コルクを超える性能を持つ新しい材料を作り出すことができます。

- ・ウレタンフォーム(高い防水性)
- ・フェノールフォーム(高い断熱性)
- ・ポリスチレンフォーム(樹脂系では安価、軽量、耐水性)

